現代政治理論 (有斐閣アルマ)
「現代政治理論 (有斐閣アルマ)」のレビュー・感想

【入門書としての意義】
本書が所属する有斐閣アルマシリーズは、多くの大学の学部で用いられている初学者向けのシリーズであり、本著もその例に漏れない。
著作の構成は、編者の両氏を中心として、気鋭の研究者が多彩なテーマに対して初学者に対しても水準を落とさぬように立論されており、
評価は全般的に高い。
とはいえ、紙幅の関係や読者設定の問題もあるのだろうが、テーマ横断的な問題設定は流石に厳しかったらしく、
テーマ=章毎の内容独立性がかなり高く、一個の作品と言うよりは論文集と言った趣がある著になってい...

【わかりやすいが】
確かに、政治理論を扱う他書よりもわかりやすいが、いかんせん8人による共同執筆のおかげで、章ごとの文章リンクが少なく単体テーマ集になっている気がする。もちろん、リベラリズムとデモクラシーを中心としているのはわかるが、どうせなら杉田さんなり川崎さんなりが単独で一本の切り口から掲載さえている政治理論を鳥瞰、解説してほしいと感じた。それゆえ星四つ。しかし、優れた政治理論入門書であることは間違いないので一読後は、他の本にもどんどん挑戦していけると思う。

【よくできた入門書】
政治思想史を踏まえた政治理論を「リベラリズム」と「デモクラシー」を機軸にして11の章にまとめ上げたテキストブックである。「政治思想史を踏まえている」とは、最新の理論の紹介に終始するのではなく、それらの議論の履歴にも言及し、思想史上に位置づけようとしている本書の編集方針のことを指している。
前半の各章で、古典的ではありつつもなお現代政治理論において中心的位置を占める諸概念を取り扱い、後半でネイション・フェミニズム・公共性・新しいデモクラシー論・グローバリセーションといったより新しい議...

【難解の中の容易】
政治学を専攻する学生の中でも、政治理論の分野は入門書の段階から幾分難解で、常に様々な思想、立場を同時並行に頭に置きつつ学ぶことを要請される事から手を付ける事が億劫になりがちな分野だと思う。
この本もまた多少の予備知識がないと多少難解だとは思うが、政治理論と言う理解に多分な労力を要する分野を比較的分かりやすく、そしてコンパクトに凝縮している点で白眉だと思う。
ただ丹念に読みすすめる事を要請される本である事も確かである。
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