法哲学入門 (講談社学術文庫)
「法哲学入門 (講談社学術文庫)」のレビュー・感想

【法哲学「エッセー」】
本書は、著者が1980年代初頭に法学セミナー誌に連載し、
1982年に単行本化されたものですが、このたび講談社学術文庫に再録されました。
本書は、文字通り法学と哲学との交点にあたる「法哲学」につき、
私たちに身近な題材から説き起こすというものです。
目新しく感じるのは、西洋哲学のみならず、
中国の諸子百家の著作にも多く依拠している点です。
実定法全体を手のひらに乗せ、
哲学の視角からあーでもない、こーでもないと論じる本書は、
話題の豊富さ...

【第一章は秀逸。】
法哲学の入門書を書くというのはやはり中々難しいことであるらしい。
本書はタイトルこそ『法哲学入門』となっているが、著者はあとがきで きちんとした入門書ではないことを認めている。
それは著者の責任ではなく、つかみどころの無い「法哲学」という学問が持つ性質のせいであろう。
本書を読むことによってそれは読者に対して少なからず伝わるはずであり、そういう意味で実際は本書は「法哲学の入門書」としての役割をきちんと果たしているのかもしれない。
とは言え、全六章で構成されている本書...

【自然法とか国家とか、やはりそうだったのかと納得】
法哲学者を自認する著者が、法哲学について書こうとしたらこうなったという本。哲学の本質は知救心の暴走だそうで、法に関わる哲学にはこんなものがあるというような内容が含まれている。
哲学とはともあれ考える習慣から生まれるものだから、考えるための材料が豊富に含まれる点は良い。とはいえ、知救心の暴走という形で哲学している本書は、題名を根拠に多くを期待すると落胆を招くのではと思う。
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